ホムンクルス(Homunculus)

「ホムンクルス」というのは、もとは古代ヨーロッパの錬金術で作れられるという、ラテン語で小さな人を意味する小人のことを言いました。

パラケルススのホムンクルス

スイスに生まれたパラケルスス

(Paracelsus、本名Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus Von Hohenheim、

本名をテオフラウトゥス・ヴォン・ホーエンハイム。1493-1541)

イタリアのフェラーラ大学医学部を卒業し、その後、スイスのバーゼル大学医学部教授に就任した。当時の主流であったスコラ哲学的解釈に対して自然の直接の探求を主張し、大宇宙と小宇宙(人間)の照応を基盤とする統一的世界観を、崩壊した中世農民世界の断片から形成することを目指した。

パラケルススの思想にはマクロコスモス(大宇宙)とミクロコスモス(小宇宙たる人間)の照応と言う世界観が根底にある。マクロコスモスとしては地上世界、天上世界(星の世界)、霊的世界の3つを考え、それに対応するミクロコスモスである人間を身体、精気、魂に分けて考えている。地上界-身体と天上界-精気は目に見える世界であり、それを支配する霊的世界-魂は目に見えない世界であるとした。

しかし、キリスト教を批判したため追放され、その後、完全な生命を生み出すことを目指し錬金術師となった。錬金術の研究から、これまでの医学に化学を導入し、酸化鉄や水銀(梅毒の治療に使った)、アンチモン、鉛、銅、ヒ素などの金属の化合物を初めて医薬品に採用した。この業績から「医化学の祖」と呼ばれる。

彼は『三元説』を提唱し、従来の硫黄、水銀に塩を加えて三元説とし、これをもとに錬金術をおこない、さまざまな実験をおこない、治療へ役立てました。

彼は、ホムンクルスを作り出したと主張している。その製法はまず人間の精液を蒸留器に入れて密閉する。そしてこれを熱を持った馬糞の堆肥の中に埋め、40日間腐敗させれば、やがてこれが生きて動き始めるようになる。やがて人の形をした透明で物質的でないものが生じる。これに人間の血を糧として与え、馬の胎内と同じ温度のままで、さらに40日間保存すれば、このガラス器の中に小さな人間が生じるであろう。
もっとも、ヘルメス哲学者は、この記述を字義通りには受け止めない。これは、あくまで錬金術の寓意であり、秘伝を受けた者が読めば、「プロメテウス神話的な表現によって、賢者の石の発見につながる「金属の胚」の誕生を象徴したもの」と分かるという。
ハーブや動物の内臓で作られたその小人は、生まれながらに知識を持ち、フラスコ内でしか生きられなかったとか。

近代のグリモワールに現れるホムンクルス

クリスタルガラスで作った容器を用意する。

これに5月の三日月の晩の夜露を1ますぶん、健康な青年からとった血液を2ますぶん入れて混合して密閉し、1ヶ月置く。

すると、透明な液と赤い沈殿物が生じるが、上澄みの液を取り動物からとった抽出液を加える。赤い沈殿物は緩やかに加熱しながら1ヶ月置く。

するとやがて赤い沈殿物は内臓のようなものを形成し、血管や神経をも生じるようになる。4週間ごとに、先の上澄みを振り掛けてやる。

すると、4ヵ月後には、ガラス容器の中には果物が成った小さな樹が生え、美しい少年と少女が生まれている。これがホムンクルスである。
この二人に、動物の抽出液を与えておけば、6年間生かしておくことができる。
二人は生まれて1年が過ぎると、知能を持ち、自分達を創造した錬金術師に「自然界の秘密」の知識を与えてくれる。彼らの性格は穏やかで従順。
しかし、彼らの寿命は6年しかない。ホムンクルス達は今まで小さな樹の果物を口にはしなかったのが、これを食べるようになる。すると、ガラス容器の中に煙のようなものが生じはじめ、閃光が走る。二人の小人はパニックを起こし、身を隠そうとする。そして、全てが乾涸びて彼らは死ぬ。その時、ガラス容器の中で爆発が起こるので、大きな容器を使ったり、強度の弱いガラスを使うのは危険である……。

アレイスター・クロウリーのホムンクルス

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ホムンクルスとは人間の肉体を有し、知性と言語能力を有しているが、人間の魂を持たない存在のことであるという。そして、こうしたホムンクルスには、人間の魂の代わりに、惑星の精霊や元素の霊を入れることが可能だという。
人間の子供は受胎してから早いうちには、まだ人間の魂は宿ってはいない。だから、人間の魂が宿る前に、この胎児に鍵をかけ、魂が入れなくする。そして、その代わりに惑星の霊などを呼び出して、その胎児に宿らせれば、強力な才能を持った人造人間を造ることが出来る。これがホムンクルスである

ペンフィールドのホムンクルス

ペンフィールドとボルドレイが描いたホムンクルス。体の大きさは運動野の相当領域の広さに対応して大きさを変えてある。(Penfield and Boldrey, 1937より改変)

体性感覚(たいせいかんかく)は、生理学や医学の用語で、皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚を指す(内臓感覚を除外する立場もある)。

視覚や聴覚といった特殊感覚と異なり、感覚器が外からははっきり見えず、皮膚・筋肉・腱・関節・内臓の壁そのものに含まれる。体性感覚は視床で処理され、対側の大脳半球に送られる他、自律神経系や賦活系にも影響を及ぼす。また、深部感覚は小脳でも処理される。

脳機能局在論でヒトの脳皮質の中で主に体性感覚に関わる部分は、中心後回(頭頂葉)に位置する。人間の脳のこの部分の領域は、体の領域ごとにそのエリアから来る体性感覚の入力の量または重要性に応じて区分けされている。例えば、手の感覚に対しては脳皮質の大きい面積が割り当てられているのに対して、背中はずっと小さい面積しかない。この体性感覚の区分はホムンクルスと呼ばれる。 体性感覚は視床と小脳皮質で直接入力を受ける。