スーザン・ジョージ『オルター・グローバリゼーション宣言』

たったの62人の大富豪が全世界の半分の富を持つ、あまりにも異常な世界の現実が正しいと思うのならば読まなくていいと思う。

もし意義があって何かを変えたいと思っているならこの本を手にすることをお勧めする。

過度な資本主義の問題、新自由主義が是とされている世の中、格差は離れるばかりである。規制緩和、民営化、構造改革と耳障りのいい感じで国民を丸め込み、経済効率と企業利益を最優先し、福祉国家的な国家の調整的役割を最小化してすべてを市場原理や競争原理に委ねていく米国流の新自由主義的グローバリゼーションは日本にもかなり浸透し、国民も疑問を抱かず中間層が絶滅した。

子供の貧困は社会現象として表れ始めているが、それは親が悪いという短絡的な発想の方が多く、嘆かわしいと状況だと個人的には思っている。

また競争社会だからしょうがないという理論は薄ぺら過ぎて何も進歩的ではないのだが、大抵こう答える人が圧倒的に多い。

これは学校教育の弊害である。

お金のことは学校では教えないからだ。

経済を勉強して、さらにどのような形が経世済民になるのか深堀するべきだ。

今のままでは貧困化がますます進むことになり、さらなる少子化を迎え、日本を支えることもできなくなるだろう。

これはこのままいけば確実にこの現実を迎えることになるだろうと考えている。深刻な状況である。

コーポラティズム、政治と大手企業が圧着して経済を動かし、企業主義論理を振りかざす。またコーポラティズムはマスコミをコントロール下に置くことで、世論操作する。原発事故の時これはあからさまに思った。

金で魂を売り買いする新自由主義とは一体何か、またグローバルとは何かを見つめなおすことができる凄い本と思う。

是非読んで頂きたい。