須彌山(しゅみせん)と宇宙とバベルの塔

須弥山(しゅみせん、旧字体:須彌山、サンスクリット:Sumeru)は、

古代インドの世界観の中で中心にそびえる山。

インド神話のメール山スメール山

スメルはシュメール。

古代インドの世界観の中で中心にそびえる聖なる山であり、この世界軸としての聖山はバラモン教、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教にも共有されている。

インドで形成された宗教のうち、とりわけ仏教が中国や日本に、ヒンドゥー教がインドネシアなどに伝播するにともない、この世界観も伝播した。ジャワ島にはスメル山という名の山もあり、別名はマハ・メル山(偉大なるメル山を意味する)である。

仏教の世界観では、須弥山をとりまいて七つの金の山と鉄囲山(てっちさん、Cakravāḍa)があり、その間に八つの海がある。これを九山八海という。

「須弥」とは漢字による音訳で、意訳は「妙高」という。

カイラス山はチベット仏教で須弥山と同一視され、周囲の山々を菩薩に見立てた天然の曼荼羅とみなし、聖地とする。

カイラス山

日本庭園の須弥山形式 – 中央に突出する岩を須弥山に例える石組

次の山口県の漢陽寺と島根県の万福寺の庭園で、山の頂上の岩が須弥山。その周りに8つの岩が置かれる九山八海(くせんはっかい)

漢陽寺

万福寺の庭園

須弥山を描いた絵画

『倶舎論』によれば、風輪の上に水輪、その上に金輪がある。また、その最上層をなす金輪の最下面が大地の底に接する際となっており、これを金輪際(こんりんざい)という。 なお、このことが俗に転じて、物事の最後の最後までを表して金輪際と言うようになった。

日本書紀はニンギシュジッダ作で、曼荼羅(マンダラ)と同じ構図の須弥山は「一なるもの」を表すという結論だった。つまりニンギシュジッダ由来の日本庭園の須弥山形式や九山八海(くせんはっかい)も、「一なるもの」を表したものという結論。

一なるもの。宇宙の形。

数学的リアル

バベルの塔にフォルムが似ている。

インドのストゥーパ