ティアウーバ星と『超巨大[宇宙文明]の真相』 ミシェル・デマルケ著

人類の過去・現在・未来を語る 本書は、著者であるミシェル・デマルケ氏が、ティアウーバ星からやってきたタオと名乗る宇宙人に誘われて、彼女の出身惑星や様々な惑星を訪問した体験談である。著者は、地球人類を救うために宇宙人達から与えられたメッセージと、自分の体験を正確に描写し、本として出版する使命を託された。出版社探しに奔走した著者は、最終的に自費出版を選んだ。形あるモノはいつかは滅びる。しかし、知識は完全なものであるとタオに説明された。今、地球人類の精神性が試されている。そして、読者一人一人に地球の未来が託されている。

タオは言った。
「あなたにもすでにはっきりわかったと思いますが、私たちは太古の時代から地球の人々の行動を観察してきました。そして地球の何割かの人々は、歴史上非常に危険な状況に達しており、彼らを助けなければならない時期が来たと、私たちは感じています。もし彼らが耳を傾ければですが、そうすれば彼らが正しい道を歩むようになることを保証できます。私たちがあなたに託したことは、あなたがここで見たこと、聞いたこと、体験したことのすべてを報告することです」

私はティアウーバ星からやって来たという宇宙船の内部でも、また銀河間基地においても女性しか見ていなかった。しかし女性だけのチームというのは、地球ではかなり例外的なことである。それで私はタオに直接聞いてみた。「あなたは女性だけが住む惑星から来たのですか?」と。

「ミシェル、この宇宙船には女性はいません。しかし男性もいないのです。つまり、私たちは両性具有なのです。両性具有の意味はわかると思いますが、私たちの惑星に住む人々はすべてそうなのです。私たちは見てのとおりで、地球とは別世界の惑星から来た人間です。あなたが自分のことを地球人で男性と考えるのと同じく、私たちを1つの性で捉えたいというのは理解できますが、おそらく英語でいう”中性”を用いて私たちのことを”It(それ)”と考えるのがいいでしょう。私たちは地球のあなた方と同様に、子供を生むこともできますが、唯一の違いは、私たちが完全に出産をコントロールできるということです」

私はそれを聞いて、この宇宙飛行士たちを新たな目で見るようになったが、よく見ると以前に思ったよりも男性的に見えるのがわかった。我々は本当に他人のことを先入観で見ていると、つくづく思った。

私の船内の場所からは、中央にあるスクリーンに宇宙空間の多くの星が通り過ぎていくのが映し出された。時々、我々は星のかなり近くを通過したが、それでも2、300万キロは離れていたようで、巨大で目がくらむような惑星もあった。また不思議な色の惑星もあり、それはエメラルド・グリーンの鮮やかな色をしており大きな宝石のように見えた。私はタオに、スクリーンの基部に現れた光の帯について質問した。この光は小規模の無数の爆発の結果起きているようだった。

「あれは私たちの、地球で言えば”反物質”砲によってできたものです。 実際、爆発によって生じたものですが、私たちの宇宙船の飛行速度では、最小の隕石であってもこの宇宙船を打ち砕いてしまうことができます。そこで私たちは特別な部屋を利用して、強大な圧力下に一定の塵状形態をストックしておき、それを反物質砲に供給しているのです。私たちの宇宙船は、はるか前方にある宇宙空間にさまようほんの微細な物質でも分解する、”加速微分子”の流れを燃焼させる”コスモトロン”のようなものなのです。これが超光速飛行を可能にしています」

タオの説明にはしばしばアラビア数字や、キロメートルの単位が使われたが、それは私のために訳して使われているのか、あるいは彼らも実際にそれを使っているのか訊ねると、

「いいえ。私たちは”カト(Kato)”と”タキ(Taki)”という単位を使います。私たちは、あなたがアラビア数字と呼ぶものを同じように使っていますが、それは単にそれが私たち自身のやり方だからです。そしてその数字は、私たちが地球に持ち込んだものなのです」

「私たちの惑星に近づいたので減速しています。 あと8億4800万キロで約25分後に到着します」、とタオが言った。

私はパネル上で次第に大きくなっていく光景から目を逸らすことができなかった。それはたとえようもなく美しく、それを表現するとしたら”発光する黄金”としか言いようがなかった。我々は徐々にその惑星に降下して行き、パネルには惑星の輪郭から大陸の輪郭が映し出されていた。海にはさまざまな色をした島々が点在していた。

私にはここで見る色は、自分が今まで知っている色よりもはるかに鮮やかに感じられ、しかもこの惑星にある色は、地球に存在するどのような色とも比較できなかった。赤は赤であるが、それは我々の知っている赤ではなかった。タオによると我々地球人の親しんでいる色は”カルビラオカ”で鈍いという意味があり、ここにある色は”テオソラコヴィニキ”で、内部から色を放射しているという意味だという。

私は次第にスクリーンに現れる、大小の”巨大な卵”に目を奪われた。 あるものは横たわっていたが、あるものは先端を上にして立っており、そうした巨大な球体がさらに数多く現れたのだ。それはビルだということだった。タオは私たちの宇宙船がドッキングして収容される場所に来ていると説明し、少し揺れてドッキングが終了した。地球からのこの驚くべき旅は終わり、私はいよいよ別の惑星へと足を踏み出すのだ。

「ミシェル、あなたに害を与えるものが2つあるので注意しておきますが、まずティアウーバ星は地球の重力と同じではありません。今のあなたの体重は70キロですが、ここでは47キロになるので、宇宙船から出るとき平衡感覚を失う恐れがあります。宇宙船の内部では地球と同じ重力にしてあったのです。もう1つは、この惑星の光と色は、しばらくあなたをお酒に酔ったようにさせるでしょう。色というのはある意味、あなたの生理体に作用する振動、バイブレーションなのです。地球では色に対する認識があまりありませんが、ここではそれが重大な結果をもたらすことがよく知られています」

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ミシェル・デマルケ氏

タオは軽いマスクを取り出すと、私の顔に被せて言った。
「さあ、行きましょう、ミシェル。ようこそ、ティアウーバ星へ!」

我々のいるプラットホームはゆっくりと数メートル上昇すると、まるで雲の中を通り過ぎるようにある卵の壁を通過し、ゆっくりと”建物”の床に着地した。我々はビルである卵の中に入ったのだ。しかしまるで外にいるかのように、我々の周囲には見はるかす限りの田園風景が広がっていたのだ。少し離れたところでは2、30人の人々が、宇宙船にあったのと同じようなスクリーンとデスクの前で忙しそうに働いていた。何か音楽のようなものが柔らかに流れていて、私は何とも言えない幸福感に包まれた。

我々が歩いていくと、通り過ぎる人々は誰もが嬉しそうに挨拶してくれた。 しかし私とタオのカップルは奇妙なものであった。タオは3メートルの身長があったので、彼女は私に歩調を合わせ、私は私で何とか合わせようとジャンプするばかりであったのだ。我々は光のように輝く卵の壁に向かい、それを通り抜けて1つの部屋に入った。そこは宇宙船の中のスクリーンで見た部屋であることが、私にはすぐにわかった。私はティアウーバ星の”銀河間センター”にいたのだった。

タオは私のマスクを外すと、そこにいた12人の人々を1人ずつ紹介してくれた。 ”彼女”たちは私には理解できない言葉を口にし、歓迎のジェスチャーとして私の肩に手を当てた。彼女たちの表情には喜びと親切さがあふれており、私は彼女たちの温かい歓迎に深く打たれた。彼女たちは私を仲間の1人であるように扱ってくれたのだ。

タオは、”彼女たち”の質問を代弁して言った。
「なぜ彼はそんなに悲しそうで、顔色が悪いのかと言っていますよ」

「そんなことはないです!」と、私は抗議して言った。

「”彼女”たちは地球人の表情を見慣れていないからですよ。見てわかると思いますが、ここにいる人々の表情には絶えず幸福感があふれているのです」

それは本当だった。
まるで”彼女”たちは、まさに刻々と素晴らしいニュースを受け取っているかのように喜びの中にあったのだ。ところで私は、”彼女”たちにはどこか奇妙なところがあることに気づいていた。つまり、誰もが同じくらいの年齢に見えたのである。

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