サーカーの思想〈1〉進歩的活用理論(プラウト)松尾 光喜【著】

目次

第1章 プラウト経済社会論(サーカーのプラウトに基づく経済社会論;マルクス、エンゲルスの科学的社会主義とサーカーのプラウトについて ほか)

第2章 社会サイクル論(サーカーの社会サイクル論とは;日本史における社会サイクル試論 ほか)

第3章 人類社会論(サーカーの「人類社会論」;サーカーの「世界政府論」 ほか)

第4章 歴史論(サーカーによる新しい歴史叙述の提起;サーカーの河川流域文明論 ほか)

というわけで毎度どうもバイブススコープです!

生活保護を門前払いし餓死する老人、ネットカフェで寝泊まりする若者、ご飯を食べられない子供たち。

それを見て自己責任でしょうという国民。

ディナーを税金で食う公務員、下請けを買いたたき利益を獲得する大企業。

それを見て自分がなにかしてもなにも変わらないという国民。

自分はおかしいと思うよ、本当に。足るということを知らない人間たちは餓鬼である。

起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半」 ってな具合で寝る場所も食うことも人間一人分はそれで本来は事足りるわけじゃないですか。

宮沢賢治さんのメモ書きであの有名な「雨ニモマケズ」が書いてあったわけですがそういうものにバイブススコープもなりたいわけですよ。

銀河鉄道の夜と自分の臨死体験も相まって。

雨にも負けず 風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けず

丈夫な体を持ち

欲はなく決して怒らず

いつも静かに笑っている

1日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを自分を勘定に入れず

よく見聞きし 分かり そして忘れず

野原の林の下の蔭の

小さな萱ぶきの小屋にいて

東に病気の子供あれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば

行って怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろと言い

日照りのときは涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

皆にデクノボーと呼ばれ

ほめられもせず 苦にもされず

そういうものに私はなりたい

わけですが、人間は業が深い。そういう自分もまだまだ欲深い。

自分のネクストレベルは欲を捨てることであるが、そこまで達観していない。

欲とバランスをとって生きるが今生のテーマである。

万物は端と端が大切というのが自訓である。

『始まりと終わり』とか『悪いことといいこと』とか『過去と未来』とか『お金持ちと貧乏』とかそれが相対を知るに万物を垣間見ることができるからだ。

僕たちは生まれて気が付いたらこのシステムの中に契約したわけでもなくこのルールに気が付かない間にいろいろインストールされ、このシステムのルールに従うのが当たり前になっているが、そもそも

宇宙の富のすべてが生きとし生けるものの共有財産であるとするならば、あるものがぜいたくにふけり、あるものが食べるに事欠いて徐々に衰弱し餓死していくというようなシステムをどうして正当化できるであろうか

というのがプラウト経済主義の主張であり、なにを改善していくと地球のすべての人にフェアである世の中ができるかといった理論である。

自分は資本主義が正しく機能していればそんなにおかしくないと思うのだが、欲は欲を生み続けるシステムでヒエラルキーのある社会が究極的になっている。

1パーセントがほぼほぼ資本を握っている状況は階層の固定を招く。

それは人一人の努力でどうにかなるレベルではない。

それでもこの人間の欲望に沿った経済システムはフェアに感じている人がイニシアチブを握っているのだろうけど、この資本主義が終焉を迎えた場合どう皆は考えるのか。

可能性がないわけではない。

十分に起こりうる現実なのだ。

シュンペーターは、資本主義の発展にとって不可欠なものはイノヴェーションであり、これが絶えると自由市場は活力を失い、資本主義は衰退して、遂には滅亡すると記している。

そもそもマルクスはこの時代から適応できる理論な可能性なのかもしれないし、とにかく既存の経済システムをあらためて考える時代のど真ん中に今自分たちは生きていると思う。

そして資本主義、共産主義以外ないのかとおもっていたときに見つけたのがプラウト理論。

進歩的活用理論プラウト、PROUT:PROgressive Utilization Theory)は、インドの哲学者、社会改革者であったP.R.サーカーによって提唱された社会経済理論である。

サーカーの弟子の一人で思想・理論的継承者である経済学者ラビ・バトラの著書などで広く紹介され、バトラや同じく弟子であったダダ・マヘシュヴァラナンダ (Dada Maheshvarananda) などの主要なプラウティスト(プラウト研究・普及・実践家)達によって進歩発展させられている。

プラウト主義プラウト主義経済とも呼ばれる。

プラウトは、サーカーのネオヒューマニズムの哲学とスピリチュアルな人生観に基づいた新しい社会経済理論であり、誰も傷つけずに皆のために世界を快適な場所にすることを目指している。

生産的で、環境にやさしい行動において効率的にそれらを利用して、それは人間性の物質的で、精神的で、スピリチュアルな次元を統合する。

プラウトは、既存の資本主義や共産主義及びその経済学に対する代案でもある。

理論は経済学だけにとどまらず、人の個々の、そして集合的な存在の全体を含んでいる。物質的で、教育的で、社会的で、政治的で、精神的で、文化的で、スピリチュアルである。

それは、これらの面のそれぞれが、釣り合いが取れて、健康な人間をサポートするために発展させられなければならないという考えを持っている。

同様に、プラウトは人、植物、および動物で分けられた自然な相互依存を評価する。 従って、それはその主要な価値を、ネオヒューマニズム、善を考慮する人生観、およびすべての生きた生き物の幸福と共有する。

人間の欲深さを考えるとこの理論は素晴らしいけど現代人からみればこの本はお花畑感MAXです。貧乏父さん金持ち父さんという本を読んで投資でも勉強しますかのほうが資産は増やすことができるでしょう。

しかしAI化や経済システムが崩壊してしまったら価値観はぐるっとまわってサーカの思想にたどり着くことでしょう。

経済の在り方、『資本主義と共産主義』とか『資本主義とプラウト』とか『共産主義とプラウト』とか相反させることによりなにか新しくクリエイトできるという意味で是非読んでもらいたい。

ちなみに縄文時代は意外に高度な文明があって、プラウト的であったとバイブススコープは予想している。

日本の歴史の80%は縄文時代。

これだけ長い時代続いたということはもっと霊的であり、フェアな時代であったことであろう。ミュータントメッセージという本も読んでいただけると何か伝わると思う。